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| 其の肆 三倍増醸造酒 |
昭和18年、中国北東部は満州国と呼ばれ、日本の関東軍が駐屯し支配していました。
この寒くて不毛の荒れ地を開拓していたのが、日本の農村から移ってきた開拓義勇軍と呼ばれる人達。彼らにとってお酒は、生活必需品でした。しかし日本の内地ですら、供給量が少なく配給制であった日本酒は、その2倍以上の消費量がある満州国ではとても足りません。
そこで軍部からの命令で考え出されたのが、清酒もろみに醸造用アルコール・水・ブドウ糖・乳酸、コハク酸等を加えた第二次酒。
これだと、三倍量のお酒ができるため、当時の需要量をカバーするには必要な策ではあったのです。
そして終戦後、食糧難のなか昭和24年、国はこの第二次酒の技術を、三倍増醸法という名で国策として打ち出し、150軒の酒蔵に試験的に造らせます。それが"原料が安い・人件費は節約できる"ということで、翌年からは、ほとんどの蔵でこの酒造りが始められる事になるのです。
それが間違いのもとでした。
現在売られている醸造用糖類添加の一般普通酒は、三増酒そのものではないですが、三増酒とアルコール添加したお酒をブレンドしたものなんです。原材料表示に、「米、米麹、醸造アルコール、糖類、酸味料、調味料」などと書いてあればそういうこと。
特撰酒、上撰酒、佳撰酒などの名前がついてるもの、低価格酒、パック酒などは、まず疑ってみてください。
これを読んで頂いてる方には、安い日本酒を飲んで悪酔いしたという経験を持つ方もおられると思うのですが、それは実は、安く大量生産されたお酒であったりするのですよね。
安いお酒に気持ち悪く酔わされるなんて、やっぱり納得いかないはず!
これからは、気持ちよく酔えるお酒を選ぶ目をもちたいものですね。 |
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