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| 其の伍 酒造りの総大将「杜氏」 |
杜氏と書いて"とうじ"と読む。
みなさんご存知でしたでしょうか。
一軒の酒蔵で働く酒造従業者の総大将を意味するとともにその総称。昔は、酒を一家の主婦である刀自(とうじ)が醸していたので、この名が使われるようになったんだとか。
この首長である杜氏を中心とした一組織には、昔からある傾向があります。それは約90%が農村出身者で占められる郷党的集団だという事なんです。
例えば・・・
灘・伏見地方の酒造技術者である丹波杜氏、
丹後杜氏、但馬杜氏。
関東の酒造市場にでる越後杜氏。
東北・北海道酒造市場を支配する南部杜氏(岩手県)。
などが有名で、他には、
石川県の能登杜氏、岡山県の備中杜氏、
島根県の出雲杜氏、長野県諏訪地方の諏訪杜氏、
岐阜県木曾川上流部の木曽杜氏、等々。。
これらの地方は一般に積雪寒冷気候によって、冬季、土地生産が停止する、いわゆる濃閑期がとても長いんです。
ちょうど酒造業側における酒の製造期が、この濃閑期と合致するため、江戸時代から、秋の収穫の直後に故郷を出て翌年の四月に帰郷する季節的酒造出稼ぎが習慣となっていったのが、郷党的集団となった理由なんです。
ちなみに、酒造出稼ぎに出ると、労力空費の期間がなく、飯米節約も兼ねる訳で、杜氏に秀でた技術をもった家には、杜氏成金となった農家も多かったんだとか。
美味い酒が出来るまでの背景を知っていくと、その味わいはまた更に深くなるもの。どんな人々が作ったんだろうなどと想像しながら飲む酒もまた趣深いものです。 |
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